『詩の礫』がフランス文学賞を受賞
和合亮一氏の著作『詩の礫』がフランス文学賞を受賞しました。おめでとうございます。
和合氏は、7月19日と20日、フランスのジュラ地方のNUNC誌主催の文芸フェスティバル「プレザンス・ア・フロントネ」で授賞式に出席されました。
以下、徳間書店のホームページより
詩人の和合亮一氏の著作『詩の礫』(2011年刊行)のフランス語訳(訳/コリーヌ・アトラン Po&Psy社より2016年刊行)が、現地文学賞「ニュンク・レビュー・ポエトリー賞」を受賞しました。主催/「NUNC」(ニュンク)
同誌は、詩および哲学専門出版社である「Corlevour」が2002年に創刊した、詩、思想、神学、映画、芸術などを中心とする総合文化誌。(「NUNC」とはラテン語で「今」という意味)
「ニュンク・レビュー・ポエトリー賞」は今回が記念すべき第1回の開催となり、今後、毎年の開催予定です。
【受賞理由】福島の原発災害という悲劇的な状況の中で湧き上がる詩的言語の奥深さと清さ。そして、外に向けて発信し、状況を伝え、そして現実/歴史を証言する緊急性がツイッターという手段と相まっている。
【和合亮一氏のメッセージより(一部略)】
フランスに憧れつづけた萩原朔太郎や、アルチュール・ランボーを追いかけた中原中也など、フランスから影響を受けて来た近代詩人たちの詩と出会い、ずっと読み続けながら書いてまいりました。今回、フランスの現代詩人たちや、劇作家、編集者、評論家、音楽家のみなさんに評価をいただくことが出来ましたのも、フランスの詩の魅力を伝えて来た日本の詩人たちの詩の恩恵を詩文学との出会いの頃からいただいてきたからこそであり、それを支えてきた先達の方々に感謝いたしたいと思います。
震災から6年。今回において、東日本大震災の直後から書いてきた言葉が、海外の方々の手に渡り、震災のことについて、福島のことについて語り継いでいただく機会となれば幸いです。
海外と福島とが、もっと直接に人と言葉とでつながっていくことを願ってまいりました。
震災から6年が経ち、歳月を経た震災や社会のあり方についての新しいまなざしや考え方を得て、それを伝え合うことが出来ればと変わらずに願っています。今回を機にこれらの活動にもっと意識的に取り組みたいと心を新たにしています。
海外と福島を結ぶ活動へと向かっていくためのはずみのようなものを、フランスの詩人や編者者たちからいただいたと感じ、感謝いたしたいと思っております。
これからも文学活動や、言葉と人生と教育、それにまつわる社会活動を続けていき、福島からの発信を日本、そして世界へと続けていきたいと思います。