「つぶてソングの集い in ふくしまV」レポート


2015年3月29日(日)、福島市音楽堂大ホールにて、第3回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞「つぶてソングの集い in ふくしまV 音楽の架け橋 〜杉並から郡山・南相馬・名取そしてふくしまへ〜」を開催しました。

今回は福島市立信陵中学校合唱部、福島県立川俣高等学校音楽部、福島で歴史と伝統をもつF.M.C.混声合唱団、そして昨年名取で歌って下さった宮城教育大学・東北大学学生有志合唱団と、合唱の名門で知られる安積黎明高校合唱団のOB・OGで結成されたChoral Auroraからも加わっての合同合唱団が、新実徳英氏の指揮のもと、心のこもったつぶてソングを熱唱、今回も朝岡 聡さんの司会進行がとても温かい会場の雰囲気を作って下さいました。

ウインドアンサンブルはトロンボーン奏者の村田厚生さんとともに、東北の高校を卒業した現・埼玉大学大学院生たちが重厚な音色で合唱を支えてくれました。前日のリハーサルを兼ねた合唱セミナーは、各学校の音楽室や練習場に訪問して行われました。新実氏が作曲家としてつぶてソングの詩に込めた思いが、合唱指導を通して深く伝わり、集いのステージへつながる貴重な時間でした。


震災の年に開催した「杉並の集い」そして「南相馬での集い」に続いて、松原混声合唱団の皆さんが総勢47名でかけつけて下さいました。詩人・和合亮一氏の力強い朗読に続く合唱曲「決意」は、圧巻ともいうべき感動的な演奏でした。つぶてソングの作者である新実氏と和合氏の最初のコラボ作品は、福島市制100周年記念讃歌「ふくしまをてのなかに」ということから、最後に出演者全員、そして会場の皆さんとともに大合唱しました。福島を大切に思う地元の人たちの心と、応援したい私たちの気持ちが、このさわやかなワルツの曲を通して通じ合う瞬間でした。

今回は、イタリア・ペーザロのポリフォニー合唱団「マリア・インマコラータ」がビデオレターを送って下さいました。その中で歌われていた曲は、つぶてソングの中でも深刻な歌詞の「許せるかあなたは」であったことに驚きがありましたが、福島の人たちの心の奥に響くものであったことと願っています。

今回も、福島の合唱人たちとの新たな出会いがあり、また回を重ねるごとに継続的に参加して下さる演奏家や合唱団とともに、実りのある音楽の時を創ることができました。多大な協力をして下さった地元の合唱団やボランティアの皆様に、心から感謝申し上げます。最後に、この集いの開催に多大なご尽力を頂きました三宅祐子先生(福島県おかあさん合唱連盟会長)、そして現地スタッフ代表の高野洋子先生に厚く御礼申し上げます。
「つぶてソングの集い」プロジェクト

つぶてソングの集い in ふくしまV 開催概要


第3回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞
つぶてソングの集い in ふくしまV
    音楽の架け橋 〜杉並から郡山・南相馬・名取そしてふくしまへ〜

日時:2015年3月29日(日)14:00開演(13:30開場)
会場:福島市音楽堂 大ホール
主催:「つぶてソングの集い」プロジェクト
監修:新実徳英
後援:福島市教育委員会、福島県合唱連盟、福島民報社、福島民友新聞社、
   NHK福島放送局、福島テレビ、福島中央テレビ、福島放送、
   テレビユー福島、ラジオ福島、ふくしまFM、FMポコ
定員:800名(先着順受付)
参加方法:参加費は無料ですが入場整理券が必要です。
     整理券は福島市音楽堂(024-531-6221)にて配布します。
     またはinfo@tsubutesong.jpにお申込み下さい。     

■出演
福島市立信陵中学校合唱部
福島県立川俣高等学校音楽部
F.M.C.混声合唱団
宮城教育大学・東北大学学生/Choral Aurora有志による混声合唱団
松原混声合唱団(指揮:清水敬一)

鷹羽弘晃(ピアノ)
浜中康子(ピアノ)
村田厚生(トロンボーン) 他

新実徳英(指揮・お話)
和合亮一(朗読・お話)

司会:朝岡聡

■プログラム
・つぶてソング(全12曲)   (詩:和合亮一)
・「決意」より        (詩:和合亮一)
・「ふくしまをてのなかに」  (詩:和合亮一)
・「手をのばす」       (詩:俵 万智)
・「聞こえる」        (詩:岩間芳樹)
 作曲:新実徳英

■助成
第3回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞
「ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」は、東日本大震災を機にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とサントリーホールディングス(株)からの寄附をもとに、公益財団法人サントリー芸術財団に設立された基金の助成事業です。クラシック音楽を主体とする演奏活動・音楽普及活動等が対象の応募制で、音楽を通じ被災地および日本に活力を与え続けたい願いから、2012年から10年間行います。 http://suntory.jp/fund/  

■ご案内パンフレット